男子テニス界で最強のメンタルを持つ選手は誰なのか?
テニスはテクニック、フィジカルに加えてメンタルが最も大切なスポーツと言われています。特に男子テニスは試合時間が長い中、絶え間なく駆け引きと瞬時にの判断をしながらボールを打つ断続的なスポーツであるが故に、集中力を失いやすいのです。今回は、ブレークポイントの勝率・セーブ率、タイブレーク勝率、フルセット勝率のスタッツを分析し、現役最強メンタルを持つ勝負強さランキングTOP10【2016年版】を発表します。
最強メンタル選手のランキング算出ロジック
2016年シーズン52週間の各種スタッツを元に、ATP Leaderboadが総合評価をつけています。
- ブレークポイントの奪取率
- ブレークポイントセーブ率
- タイブレークの勝率
- フルセット勝率
【結果解説1】際立つジョコビッチ、マレーら世界TOP2の勝負強さ!
1位にノバク・ジョコビッチ、2位にアンディ・マレー、3位にJ・M・デル・ポトロ、そして4位に錦織圭(JPN)と実力と実績を兼ね備えた強い選手が順にランクインしています。ジョコビッチは2016 年後半戦は調子を落としたものの、2014年、2015年に引続き3年連続の勝負強さ№1の座についています。ジョコビッチ決勝進出数が多く、当然競合とのフルセットゲームも多い中、90%近い驚異的なフルセット勝率を誇っています。2016年に年間ランク1位のライバルマレーとも10%もの差があります。
【結果解説2】錦織圭が4位!しかし、勝負強さと勝負弱さの矛盾を抱えている
錦織圭は勝負強い選手だと日本では報道されていますが、米国メディアや歴代レジェンド選手からは、「プレッシャーに弱い(勝負弱い)」と指摘されており、矛盾を抱えた選手です。ATPのスタッツを見る限り、出場試合数が多い中で勝負強いと言える結果を残していることは一目瞭然であり、2016年9月発表の歴代アンダー・プレッシャーランキングでは歴代4位にランクインされました。実は、2014年の同ランキングでは、ジョコビッチを抑えて年間1位に輝いています。
しかし、TOP3の選手は全てグランドスラム優勝者という中、一方の錦織は未だビッグタイトルはありません。2014年全米オープン決勝のマリン・チリッチ(CRO)戦に代表されるように、確実に取りきらなければいけない試合で勝てない勝負弱さを抱えています。この点は、元世界1位のマラト・サフィン(RUS)も興味深いコメントを残しています。また、フルセットの勝率が高いのは、もっと早く勝てる試合を勝ちきれず、フルセットまでつれるケースが少なく無いことも一つの理由と言えます。ジョコビッチ、マレーは格下の選手には圧倒して試合を取りこぼすことは殆どありません。
アンダープレッシャー 勝負強さTOP10 | アンダープレッシャー総合 | ブレークポイント奪取率 | ブレークポイント死守率 | タイブレーク奪取率 | フルセット奪取率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ノバク・ジョコビッチ/Novak Djokovic | 273.5 | 43.5% | 68.1% | 73.1% | 88.9% |
2 | アンディ・マレー/Andy Murray | 259.9 | 45.3% | 66.4% | 70.0% | 78.3% |
3 | J・M・デル・ポトロ/Juan Martin del Potro | 250.4 | 38.2% | 63.9% | 65.0% | 83.3% |
4 | 錦織圭/Kei Nishikori | 248.1 | 43.0% | 67.4% | 64.0% | 73.7% |
5 | ドミニク・ティエム/Dominic Thiem | 244.3 | 39.6% | 60.0% | 57.1% | 87.5% |
6 | リュカ・プイユ/Lucas Pouille | 239.3 | 40.4% | 60.8% | 66.7% | 71.4% |
7 | ミロシュ・ラオニッチ/Milos Raonic | 237.4 | 35.5% | 69.4% | 65.9% | 66.7% |
8 | リシャール・ガスケ/Richard Gasquet | 237.1 | 43.6% | 61.1% | 78.6% | 53.8% |
9 | ビクトル・トロイツキ/Viktor Troicki | 235.9 | 38.2% | 61.8% | 69.2% | 66.7% |
10 | フロリアン・マイヤー/Florian Mayer | 233.5 | 37.3% | 58.7% | 37.5% | 100.0% |
参照元:ATP Stats Leaderboards SERVE LEADERS
【補足】その他のTOP選手のランキング
全盛期を過ぎたロジャー・フェデラー(SWE)、ラファエル・ナダル(SPA)の両選手はランキングは20位台となっています。フェデラーは2006年に1位、ナダルはベストシーズンと言われる2009年と2013年に1位をマークしています。
- 11 トマーシュ・ベルディヒ
- 15 J・W・ツオンガ
- 17 スタン・ワウリンカ
- 27 ラファエル・ナダル
- 29 ロジャー・フェデラー
- 31 ガエル・モンフィス
- 42 マリン・チリッチ
- 49 ダビド・フェレール
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