Tennisfan編集局が厳選したオススメのTOPテニス選手の書籍10冊を紹介します。
選手自身が書いた自叙伝、または選手にフォーカスした本など多くが出版されています。
その中でも絶対に読むべき本を特集して書評や解説つきで紹介します。
🎾本記事のサマリー
1.『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ
第2集団でもがくだけの存在だったプレーヤーは、なぜテニス界を支配するできる程の絶対王者に成長できたのか?何を、どう食べたらいいのか?人生好転・肉体改造のためのレシピをジョコビッチ選手自ら語ります。
だだの健康本にあらず!メディアでは知り得ないコンプレックス、王座奪取までの苦悩、そしてプロとしての考えた方など伺い知れる良本です。そして世界的に大流行したグルテンフリー生活の効果が最も実感できる稀有なケーススタディとしても活用できます。
「私がこの本を書こうと思ったのは、私ならあなたの肉体だけでなく人生すべてを変えられる――それもたったの14日間で――と知っていたからだ」(本文より)

2.『ラファエル・ナダル自叙伝』ラファエル・ナダル
怪我に苦しめられ、才能という点ではフェデラーに劣ると評されながらも、人一倍の努力と不屈の精神で逆境を克服し世界№1にまでのぼりつめたアスリート人生がナダル選手本人の手で描かれています。
26歳という若さで自身の半生を振り返る事ができる程の濃密な人生。幼少期からフェデラーを破って王座につくまでの、彼の心中がストレートに描かれています。ここまで心情が手に取るように分かるのは、本人作自叙伝ならでは。傑出したアスリートの”レシビ本”としても参考になるはず。
「世界中でナダルが熱狂的に支持されているのは、彼がマッケンローのように情熱的であるのと同時に、冷血な殺し屋のボルグのように自制的だからだ」(本文より)

3.『OPEN-アンドレ・アガシの自叙伝』アンドレ・アガシ
色々とスキャンダルが多い選手でしたが、90年代のテニス界の人気をサンプラスと2分したアガシ選手。カツラ、禁止薬物使用、虚偽報告、女優との結婚生活…グランドスラムを制覇したテニス界のスターの衝撃的告白。
そこまでぶっちゃけますか!?アガシによるアガシの暴露本。人生の全てをオープンにした内容で父親との確執、ニックボロテリアカデミーでの日々、頭髪についての葛藤、当時のライバル達との関係、シールズとの出会いと離婚、そしてグラフとの結婚まで赤裸々に書かれています。
「テニスは大嫌いさ。心の底から大嫌い。それでもまだプレーしている。午前も午後もずっとプレーしている。だって、ほかに選択肢がないからね。どれはどやめたいと思っても、やめない。自分にやめようよと言い続けていても、プレーを続けている。そして僕がしたいことと、実際にしていることとのギャップや矛盾が、人生の核の部分をなしているような気がする。」(本文より)

4.『FEDEGRAPHICA』ロジャー・フェデラー
ジュニア時代を支えてくれた敬愛するコーチとの死別。憧れのプレーヤー、サンプラスとの交流。最強のライバル、ナダルとの激闘。新たなライバル、ジョコビッチ、マレーとの戦い。フェデラーの凄さは記録を見れば一目瞭然ですが、そうしてこれ程までの強さを誇り、長年維持することができたのか?圧倒的な技術の高さ、そして精神面の強さはどうやって身に付けたのか?フェデラーに関する全ての問いの答えがココにある。
2015年までのヒストリーが全て詰まった”全頁フルカラーのフェデラー完全本”です。特に凄いのが、そのプレーが詳細に分析され、他のライバル達と比較されている点。ボリューム満点でファン大満足。

5. 『頂点への道』錦織圭
「夢は世界チャンピオンになること」小学校の卒業文集にそう記した。ケガによる離脱で世界898位から再スタートし、マイケルと出会い、世界4位へ駆け上がるまでの5年間の記録。世界1位の夢半ばの25歳のアスリートが自伝を出す事自体稀なので必見。錦織の心の声を覗くことができる彼のブログをベースに、大会結果、ライター秋山氏の観戦記にテニスの基礎知識を間に挟むような構成です。
「僕もよく「メンタル強いよね」と言われますが、自分自身では強いと思ったことはないですし、メンタルが強いとは何なのかもよく分かりません。それぞれの環境で生まれ育って、感じ方、考え方も違うので、その人にあった正しい考え方というものが必要。」(本文より)

6.『マリア・シャラポワ自伝 』
“ロシアの妖精”が沈黙を破った!可憐な容姿とは真逆の壮絶半生を綴ったテニス界騒然の自伝です。波乱万丈人生が口語体で書かれており、感情移入やすく読みやすいです。改めて、シャラポワ選手が美しいだけでなく強い心と体を持ったアスリートであることが分かります。
わたしの人生に何が起きたのか、あなたに知ってほしい――。父は6歳だったわたしとともにロシア脱出を決意。全財産に借金を加えた700ドルを握りしめ、テニスの聖地・フロリダ目指し、旧式ジェットに飛び乗った。しかし、言葉も話せない貧しい外国人父娘は、セレブ子女が集う現地テニススクールで冷たくあしらわれる。勝負に友だちはいらない。とにかく上手くなりたい。どんな相手にも勝ちたい。お腹を空かせてボロボロのウェアで死ぬ気で練習に励んだ末….。

7.『ロジャー・フェデラー伝』

番外編『テニスプロはつらいよ 世界を飛び、超格差社会を闘う』
テニスはプロとして生活していくには想像以上に過酷な世界である、という事実が一人の日本人TOP選手をケースに詳細に記されています。
錦織の成功はテニス界の表舞台にすぎない。2015年のテニス男子日本ランク9位の関口選手の半生を紹介しながら、テニスファンでも決して知りえない、プロテニス選手の育成から過酷な世界ツアーの仕組みを詳しく紹介。錦織選手や大坂選手がどれだけ凄い選手なのか改めて理解できます。
テニス界では「世界ランキングで100位になれば食べていける」と言われており、100位=100人の選手はグランドスラム大会に予選なしに出場可能。4大大会は、本戦に出場するだけで約400万円の賞金が用意されている。つまり、4つの大会に出場することができれば、すべて1回戦負けだったとしても約1600万円の賞金が手に入る。テニスで生計を立てていくために必要な事が世界100位のポジション。
【テニス書籍 関連】