錦織圭と並んで日本のテニス界をリードし続ける選手、国枝慎吾。
テニスと言っても彼の舞台は、車いすテニス 。「俺は最強だ!」を座右の銘に、車いすテニス界で圧倒的なポジションを確立、2020年東京招致のアンバサダーを務め、障害者スポーツ全体の普及活動のキーパーソンとしても期待されています。
パラリンピックでは、2004年アテネ大会 ダブルス金メダル、2008年北京大会 シングルス金メダル、2012年ロンドン大会 シングルス金メダル、とこれまで単複合計3つの金を獲得。また、全米優勝8回、全仏優勝4回、全米優勝5回など、車いすテニスグランドスラムのシングルスで20勝と圧倒的な実績を残しています。同様に、ダブルスでも20勝をあげています。
車いすテニス部門では、男子世界歴代最多となるグランドスラム計40回の優勝を誇る圧倒的な強さ。そんな国枝は世界中のテニス及び車いすテニス界から称賛を受ける、偉大な選手なのです。
「僕よりクニエダの方が近い」-ロジャー・フェデラー
テニスの聖地ウィンブルドンで5連覇の偉業をなしとげたロジャー・フェデラーは2003年、1年間で4大大会を制覇する年間グランドスラムをいつ実現できるか問われたとき、次のように答えた。
「僕よりクニエダの方が近い」
当時のフェデラーは世界ランク1位。現在、4大大会の優勝16回という歴代1位の実力者も、車いすテニスにおける国枝の圧倒的強さを認めていた。
その年、フェデラーの予見通り、国枝は男子の車いすテニス史上初の年間グランドスラムを達成。シングルスでは、翌2008年は北京パラリンピックの金メダルをはじめ、40戦無敗の独走状態。09年も負けなしだった。
「日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」-ロジャー・フェデラー
日本の記者がロジャー・フェデラーにインタビューした時に「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」と質問。するとフェデラーは「何を言っているんだ君は? 日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」と返した。
「国枝を尊敬している」-ロジャー・フェデラー
「ロジャーにも国枝さんは知られているんだ。すごいなあと思った」-錦織圭
錦織がプロ転向を宣言した年の出来事だ。幼い頃からフェデラーにあこがれてきた錦織は、国枝慎吾に対するフェデラーの称賛を聞いて、車いすテニス競技だけではなく、テニス競技界全体での国枝の偉大さを再認識した。
「メンタルがとにかく強いと思う。約10年にわたり、ほぼ世界ランク1位を保ちつづけるのは並大抵じゃない」-錦織圭
世界のトップレベルになればなるほど、勝負を分けるのは技術、体力以上に「絶対に勝つ」と自分を信じる心の強さ。その世界に身を置く錦織だからこそ、国枝が立っている頂の凄さとそれをキープすることがどれ程困難を極めることか、肌で感じることができる。
「ナンバーワンの選手? それは間違いなくシンゴだよ」-ステファン・ウデ(車イステニス)
「僕にとって、シンゴは欠かせない存在だ」
そう言い切るのは、車いすテニス選手のステファン・ウデ。男子車いすテニス界におけるトップ選手であり、日本の国枝慎吾の最大のライバルでもある。
現在、国枝慎吾の世界ランキングは不調もあって、シングルス7位、ダブルス15位(2016年7月現在)。いち早い、車いすテニス界の王者復活を世界のファンが心待ちにしています。
近い将来、錦織圭と国枝慎吾が並んで世界ナンバー1にランクインされる夢のシーンを、見たいものです。