クレーコートの絶対王者ラファエル・ナダル。
ライバル”芝の王者” フェデラーに対して、”赤土の王者“として君臨しています。
不調だった2019年クレーシーズンでしたが、全仏オープンでは危なげなく3連覇を果たし前人未到12度目Vという偉業を達成しました。(グランドスラム通算18個目のタイトルを獲得)
今回はその実績・戦績・成績から、ナダルが”クレーキング”の称号を欲しいままにしている理由を紐解きます。
#1. クレー主要7大会の成績一覧
四大大会 | マスターズ1000 | ATP500 | |||||
全仏 | モンテカルロ | ローマ | マドリード | バルセロナ | リオ | ドイツ | |
2005 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | ー | 不参加 |
2006 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 | ー | 不参加 |
2007 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 | ー | 準優勝 |
2008 | 優勝 | 優勝 | 2回戦 | ベスト4 | 優勝 | ー | 優勝 |
2009 | 4回戦 | 優勝 | 優勝 | 準優勝 | 優勝 | ー | 不参加 |
2010 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 不出場 | ー | 不参加 |
2011 | 優勝 | 優勝 | 準優勝 | 準優勝 | 優勝 | ー | 不参加 |
2012 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 3回戦 | 優勝 | ー | 不参加 |
2013 | 優勝 | 準優勝 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | ー | 不参加 |
2014 | 優勝 | ベスト8 | 準優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 | 不参加 |
2015 | ベスト8 | ベスト4 | ベスト8 | 準優勝 | 3回戦 | ベスト4 | 優勝 |
2016 | 3回戦 | 優勝 | ベスト8 | ベスト4 | 優勝 | ベスト4 | 不参加 |
2017 | 優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 | 優勝 | ー | ー |
2018 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | ベスト8 | 優勝 | ー | ー |
2019 | 優勝 | ベスト4 | 優勝 | ベスト4 | ベスト4 | ー | ー |
#2. クレーコートでの通算勝率「92%」

2016年全仏オープン時点でのクレーコート勝率
勝率91.5%は全盛期の97.2%に比べて随分落しるものの、それでも2位のボルグには5分以上の差をつけるぶっちぎりの歴代最高クレー勝率である。2位のボルグは85.86%、3位のレンドルが81.44%、4位のジョコビッチふぁ80.37%と続きます。
また、2007年のハンブルグ・マスターズ決勝でフェデラーに敗れるまでクレーコートで81連勝。2005年4月以降クレーコートでは無敵状態をキープしており、その間にクレー大会で13勝を獲得しました。
2019年4月16日時点で415勝36敗の勝率92%、57度の優勝と驚異的な数字を誇ります。
- クレーコート連勝記録「81連勝」
- クレーコート最高勝率「97.2%」(2014年末時点)
- クレーコート通算勝率「92%」(2019年4月時点)
#3. 全仏オープン12勝の史上最強”王者”
四大大会の一つである全仏オープン(別名 ローラン・ギャロス)は、まさにナダルの独壇場。プロ転向2年目19歳の若さで初出場した全仏オープンでいきなりグランドスラムのタイトルを獲得し、世界を驚かせました。
そして2005年から2014年の10年間で10回優勝しています。6連覇がかかった2015年はジョコビッチにストレート敗けを喫し、全仏不敗神話が終焉を迎えました。しかし、2017、18、19年と3年連続で優勝し前人未到の12度目のタイトルを獲得しました。
- 通算成績 :90勝2敗
- 決勝での通算成績 :12勝0敗
- 連続勝利数 :39試合(2010~2015年にかけて)
- 初出場からの連続勝利数:31試合(2005~2009年にかけて)
- 連続取得セット数 :38セット(2016~2018年にかけて。2017年準々決勝の相手の途中棄権を含)
- 世界1位との通算成績 :6勝1敗
- トップ10との通算成績 :23勝1敗
- 連続出場回数 :15回(2005~2019年にかけて)
- 6-0で奪ったセット数 :17セット
- 準々決勝進出回数 :13回
#4. マスターズ・ATP500 クレー大会も独壇場
クレーコートでは最高位の全仏オープンに次ぐ格付けのマスターズ1000、更にその下のATP500の大会でも突出した実績を残しています。
モンテカルロ・マスターズ(MS1000):11勝
モンテカルロ・ロレックス・マスターズ(通称 モンテカルロ)では、2005年から2012年まで8連覇を達成。2010年の同一大会6連覇の時点でオープン化後初の快挙。同一大会7連覇はオープン化前には前例があるものの、近代テニス史上8連覇は偉業中の偉業。マスターズ同一大会を11度優勝するという快挙を成し遂げています。
- 男子シングルス歴代最多優勝「11回」(単独TOP)
- 男子シングルス歴代連続優勝「8回」(単独TOP)
マドリード・マスターズ(MS1000):5勝
ムチュア・マドリード・オープン(通称 マドリードMS)はでは、5度のタイトルを獲得しています。マドリードは他大会に比べて混戦しており、これまでナダルが5勝、フェデラーが3勝、ジョコビッチとマレーが2勝ずつあげています。2017年は3年振りの優勝を果たしました。
- 男子シングルス歴代最多優勝「5回」(単独TOP)
- 男子シングルス歴代最多決勝進出「7回」(単独TOP)
- 男子シングルス歴代最多大会連覇「2回」(単独TOP)
ローマ・マスターズ(MS1000):9勝
BNLイタリア国際大会(通称 ローマ)では、最多優勝、大会連覇記録などを残しています。
- 男子シングルス歴代最多優勝「9回」(単独TOP)
- 男子シングルス歴代最多連続決勝進出「6回」(単独TOP)
バルセロナオープン(ATP500):11勝
バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル(通称 バルセロナOP)では、2009年まで5連覇を続けるも、2010年は欠場のため、6連覇を逃しています。また、連覇は途切れたものの2011年~2013年は3連覇。そして不調の2016シーズンでは3年ぶりに優勝。2017年も優勝し復活をアピール。
- 男子シングルス歴代最多優勝「11回」(単独TOP)
ナダルの強さの秘密を紐解く書籍
この偉大なアスリートはいかにして生まれ、育ってきたのかが書かれている貴重な書籍。ナダル選手の大成功は、幼少時から厳しくテニスを教え、人としても一流に育てた叔父でコーチのトニーの存在なくしては語れません。また、コート上の姿からは想像できないほど繊細で心配性のナダルをずっと支え続けてきた家族や親戚、友人などとの絆があって初めて、現在があります。
「世界中でナダルが熱狂的に支持されているのは、彼がマッケンローのように情熱的であるのと同時に、冷血な殺し屋のボルグのように自制的だからだ」(本文より)
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