ラファエル・ナダルはロジャー・フェデラーと双璧を成すスペインが生んだテニス界のスーパースターです。
現在、ナイキ、バボラ、起亜自動車、リシャール・ミルなどの世界的企業やテレフォニカ、マップフレ保険など地元スペイン企業の広告塔を務めています。
今回は2020年版のナダル選手のスポンサー企業や契約収入を解説します。
🎾本記事のサマリー
ラファエル・ナダルのスポンサー収入(金額)

2019年現在、ナイキ、リシャール・ミル、キア自動車、バボラなど世界的企業の他に、スペイン企業とも多く契約している。
年間29億円のスポンサー収入を稼ぐスーパースター
2018年の「世界で最も稼ぐセレブリティ100人」では、23位のフェデラーに続いて72位にランクインし、4,140万ドル(約45億円)を稼いでいると報じられました。その内、契約した商品を選手が使用するエンドースメント契約で、2,700万ドル(約29億円)の収入を得ています。これはトーナメント賞金とは別で、各メーカーとのタイアップなどで発生する報酬です。
2019年現在、ナイキ、バボラ、キア自動車、スペインの大手通信事業者テレフォニカ、スペインの銀行であるバンコサバデルなどとパートナーシップを締結しています。
- 2015年:スポンサー収入は34億円で世界8位
- 2014年:スポンサー収入は36億円で世界6位
- 2013年:スポンサー収入は25億円で世界10位
大会実績がふるわない年でも、スポンサーからの収入は巨額
例えば、2015年のナダルの全収入はテニスの成績がふるわず獲得賞金が5,40万ドル(約5.8億円)と例年に比べて少なく、その年収は3,250万ドル(約35億円)でした。しかし、その内スポンサー企業から支払われる契約料が2,800万ドル(約30億円)と、その殆どを占めていたほど巨額です。
ラファエル・ナダルの商業的ブランド価値
スポーツ界で8位のブランド力!テニス界ではフェデラー、ジョコにつぐ3位
the London School of Marketing(イギリスの名門ビジネススクール)が実施した調査で2015年版の”スポーツ選手のブランド価値”ランキングが発表されました。
この指標はスポンサーから得た年収、総収益、ソーシャルメディアへの参加率などを参考に決定されています。ナダルのブランド価値は全てのアスリートの中で第8位です。スペイン人アスリートとしてはトップ。テニス選手の中では、1位のフェデラー、7位のジョコビッチに続いて3番目にランクインしています。
アスリートブランド価値ランキング(the London School of Marketing.2015)
12. M・シャラポワ(ロシア)(テニス)
13. リオネル・メッシ(サッカー)
14. ウサイン・ボルト(陸上競技)
15. ネイマール(サッカー)
16. A・マレー(テニス)
17. 錦織圭(テニス)
18. デリック・ローズ(バスケットボール)
19. フロイド・メイウェザー(ボクシング)
20. S・ウィリアムズ(アメリカ)(テニス)
引用元:the London School of Marketing.
スペイン人アスリートの中で好イメージランキング長年1位
メッシらと並んで母国スペインでは屈指の人気アスリート
このイメージ調査はマドリード、バルセロナ、セビージャの600人を対象に2015年の12月中旬に行われ、3つの指標で分析されました。1つ目はスポンサーブランドの評価、2つ目はスポンサーとスポンサー資産のパートナーシップ(メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、レアル・マドリード、FCバルセロナ、ラファ・ナダル、パウ・ガソル、フェルナンド・アロンソ、オリンピック、FIFA、スペイン代表、フォーミュラ1、フェラーリ、etc.)、3つ目はスポーツ選手の好感度。
ラファ・ナダルはスペイン人アスリートでは長年に渡ってトップに君臨。まさにスペインの至宝として愛されています。
1.TOMMY HILFIGER(トミーヒルフィガー)
スポンサーイベントでは、ナダルがトミーのスーツを着てテニスをしたりしています。トミーと契約するまでは、アルマーニのアンダーウェアのモデルを務めていました。
- 企業名:トミーヒルフィガー/PVHコーポレーション(親会社)
- 本拠地:アメリカ
- 業種:カジュアルウェア
- 契約内容:2015年8月よりトミーヒルフィガーの「アンダーウェア」「テーラード」「フレグランス」のグローバル・ブランド・アンバサダーに起用されています。
2.KIA MOTORS(キアモーターズ)
19歳の頃から20年のパートナーを務めるKIA社。各地トーナメントの移動をサポートする
2004年、まだわずか19際の頃からキア社のブランドアンバサダーを務めています。ナダルは度々同社のテレビコマーシャルに登場し、ナダル出場の大会スポンサーをすることも多いです。世界各地でのトーナメント先での移動車は常にKIAのロゴが入った車です。一方、プライベートではアストンマーチンDBSとメルセデス・ベンツSL55を愛車として利用しています。
2020年に更に5年間の契約延長が決まり、同社とナダルの契約関係は20年を超えることとなりました。
- 企業名:キアモーターズ(起亜自動車)
- 本拠地:韓国
- 業種:自動車
- 契約内容:2004年よりグローバルアンバサダーとして契約。2020年7月に5年間の契約更新を発表。
3. Babolat(バボラ)
- 企業名:バボラ
- 本拠地:フランス(リヨン)
- 業種:ラケット専門メーカー
- 契約内容:バボラは世界中のトッププロとストリング契約を結んでいるが、たとえ有名選手でも契約条件は商品提供のみで、契約金は一切支払われていません。ラケット契約はまた別です。
4. Nike(ナイキ)
スペインの猛牛の頭をイメージした、NIKE×ナダルのオリジナルロゴは有名
ライバルのフェデラーがユニクロへ移って以降、ナダルは現在ナイキテニスの最大の広告塔です。ナイキ社のナダルシグネチャーモデルには”牛のロゴ”があしらわれており、人気商品として販売されています。
- 本拠地:アメリカ
- 業種:スポーツ用品
- 契約内容:2008年より10年間の長期スポンサー契約を締結しています。ナダルは2013年6月からの1年間で4大大会の全仏、全米オープンで優勝、年度末世界ランク1位により、NIKE等スポンサー企業からのインセンティブボーナスは1㌦100円換算で14.5億円が支給されたと言われています。特にナダルの最大のスポンサー企業であるナイキは、年度末ランキングを最重要視していると発表しています。
- 契約金額:年間$10M(ライバルのフェデラーは年間$13Mだったが契約終了)
5. Telefonica(テレフォニカ)
スペイン最大の通信事業者。ナダル共にベンチャー企業投資も行う
Telefónica Open Futureと提携し、テック系スタートアップにスポーツやウェルネスに関するプロダクト、もしくはラファ・ナダル・アカデミーのパフォーマンスを向上させるソリューションの開発に投資をしています。ここで選ばれたスタートアップ企業には最大約16万ドルが提供されます。
- 企業名:テレフォニカ
- 本拠地:スペイン
- 業種:通信
- 事業概要:スペイン最大の通信事業者であり、元々国営だったので日本のNTTの性質に近い。現在世界第5位のプロバイダー。
- 契約概要:2014年より。
6. Richard Mille(リシャール・ミル)
- 企業名:リシャールミル
- 本拠地:スイス
- 業種:高級時計
- 契約内容:ナダルは2010年からリシャール・ミルの公式アンバサダーを務めています。実は当時、試合中に腕時計を身につける選手は殆どいなかったのです。ナダルが身につけている時計「Richard Mille 27-02」(写真)は$800k(約1億円)の値段です。勿論メーカー支給。 この時計の動作機構は5000Gを超える力にも耐えることができる超ハイスペックスポーツウォッチです。2015年の全仏オープンに向けて世界限定50本で製造されました。残りの49本は約9500万円の価格だそうです。
7. Cosentino(コセンティーノ)
- 企業名:コセンティーノ
- 本拠地:スペイン
- 業種:住宅建材・インテリア
- 事業概要:天然素材のクォーツストーンを使ったキッチン、バスルーム、ファニチャーの供給を行う多国籍企業。
- 契約内容:2014年末より”Rafa Nadal Academy by Movistar” の公式スポンサーとして関係をスタートしています。 Dekton®という大理石を使ったインテリアブランドのキャラクターに起用されています。
8. MAPFRE(マップフレ)
- 企業名:マップフレ
- 本拠地:スペイン
- 業種:保険
- 事業概要:世界47ヵ国で保険事業を展開する欧州10大保険会社の一つ。特にラテンアメリカでは最大の売上を誇る。
- 契約内容:2010年より契約をスタートし、延長を経て合計10年間に至る。
9. Cantabria Labs(カンタブリアラボ)
- 企業名:カンタブリアラボ
- 本拠地:スペイン
- 業種:医薬品・化粧品
- 事業概要:スペインを拠点で欧州で展開する医薬品のスキンケアブランドメーカー。
- 契約内容:ナダルはツアーで同社の医療用日焼け止め「HELIOCARE」を使用。
まとめ
2020年のナダルのスポンサー企業について紹介しました。
ナダル選手は巨額のスポンサー収入や賞金を稼ぐスター選手である一方で、自分のためにだけお金を使っているわけではありません。2008年にはラファエル・ナダル財団を立ち上げ、世界中の恵まれない子供達を支援しています。また、盟友ロジャー・フェデラーの財団にも寄付するなど、慈善事業にも注力しています。