錦織圭選手の歴代テニスラケットを一挙紹介します。
ジュニア時代、プロ契約以降共に一貫してウィルソン社のラケットを使用しており、「Steam」「Burn」「Ultra」シリーズなど本人の要望を受けて開発されたラケットの存在は数々の偉業達成に欠かせません。
今回は2008年から2020年までの間で錦織圭が愛用してきた歴代ラケットを紹介します。
🎾本記事のサマリー
錦織圭とウィルソンの関係
フェデラーと並んでウィルソン社と終身スポンサー契約
錦織選手は小学5年生のころからウイルソン社の用具サポートを受けています。そして2008年のプロデビュー以降も一貫してウイルソンラケットを愛用しており、2020シーズンまでに合計15本のラケットを使用しています。
これまでにウィルソンは「H Tour」「N Tour」「Steam」「Burn」「Ultra Tour」など複数のモデルを錦織選手のリクエストに応じて開発を行ってきましたが、いずれも基本設計は共通しています。
また、2015年12月にはロジャー・フェデラーに続く終身スポンサー契約を締結しました。ウィルソン100年の歴史の中で生涯契約を結んだ選手は数少なく、いずれも4大大会を制した名選手たちだけ。
最新ラケット・基本スペック・重さ
錦織圭の基本ラケットスペック(プロストック仕様)
【錦織圭本人のラケットスペック】
- モデル名:ULTRA TOUR 95 CV
- 総重量:346g
- バランス:335mm
- スイングウェイト:347
- 長さ:27.7inch
- グリップ:G3
ストリング(ガット)
メインに「ウイルソン ナチュラル 17」、クロスに「ルキシロン エレメント」を張るハイブリッド張りにしています。テンションは縦を48ポンド前後、横を45ポンド前後です(全米OP2019時点)。
グリップ
グリップテープは「ウィルソン プロ オーバーグリップ」を使用しています。グリップサイズは3です。
n TOUR II(エヌ・ツアー・ツー)
プロ転向当初に使用していたのが「n TOUR II」です。ストリングホールに入っている樹脂製のグロメットの穴が通常より大きいため、打球時のストリングの可動域が広がり、柔らかい打球感が得られるのが特徴。
縦よりも横のストリングを強く張り、フェイス面をあえて少し縦長に変形させることで、通常のスイートスポットよりも先端寄りでボールを捉えた際もパワーの乗ったショットを放ちたいという独特なこだわりがあります。
K TOUR 95
使用時期:2008-2009年
TOUR BLX 95
使用時期:2010-2011年
STeam PRO 95(スティーム・プロ)
使用時期:2011-2012年
2011年秋から使用した「STeam PRO」以降、ウイルソン社は錦織専用のオリジナルモデルを開発し、日本市場で販売を行うようになりました。
この「STeam PRO」は繊維素材のバサルト・ファイバーの配合量を増やすことで、打球時のフィーリングがよりクリアになっていいます。そして、このラケットで2011年11月のスイスインドア準決勝で世界ランク1位のノバク・ジョコビッチから大金星を挙げ、大きなニュースになりました。
STeam 95
使用時期:2013-2014年
2013年より使用した「Steam 95」は一躍スターダムへ押し上げた飛躍を支えた重要なラケットです。2014年、マイケル・チャンをコーチに迎えた錦織圭選手は、2月にメンフィスで2年連続優勝、3月にマイアミではB4、4月にバルセロナで優勝、5月にマドリードで準優勝、そして9月の全米OPではアジア出身選手では前人未到の決勝へ。
そして更にマレーシアオープンで優勝、ジャパンオープンでも優勝。更にはATPツアーマスターズにもアジア出身選手で初めて出場を果たし、世界5位でシーズンを終えるなどトップ選手の仲間入りを果たしました。
Burn 95
使用時期:2015-2016年
飛躍の2014年の試合を振り返って、”より攻撃的なプレースタイルでポイントをより早く終わらせる”ために、2015年は新しいラケットにスウィッチすることを決断。「Burn 95」は早い展開のプレーを求める錦織選手のリクエストを基に、ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバーを採用し、ラケットの変形を従来より抑えることでボールの反発力を向上させたモデルです。
そして、このラケットにスウィッチした翌年2016年はリオ五輪で銅メダルを獲得しました。
BURN 95CV
使用時期:2017-2018年
2017年から使用した「BURN 95CV」は「体が疲れないラケットなんてできないですよね?」という錦織選手の何気ない言葉を実現するために、ウイルソンが開発しました。モデル名の”CV”とはCountervailと言う衝撃吸収性能の高い素材名の略で、NASAなどでも使用されている最先端素材です。
残念ながら2017年の夏に手首を脱臼し、シーズン後半を欠場しました。
ULTRA TOUR 95 CV(ウルトラ・ツアー 95 CV)
使用時期:2019年–
2019シーズンに使用しているのは「ULTRA TOUR 95 CV」です。BURN 95 CVの後継機種で16本目のラケットです。日本では2018年末に販売開始。
2017年の夏に手首を脱臼し、シーズン後半を欠場した錦織選手は、翌シーズンに復活を遂げたものの、離脱以前よりも進化するため、ラケットに「さらなるバウンドの後のボールの伸び」と「柔らかい打球感」を求めました。
この「ULTRAシリーズ」はフレーム6時部のグロメットに”CRUSH ZONE”を搭載することにより、1000分の3~5秒とも言われる打球時間を最長化させることを実現。また、前作「BURN 95CV」と同様にNASA公認の振動吸収素材”COUNTERVAIL”を取り入れており、体への疲労を軽減し、長時間のプレーでもボールの伸びを落とすことなく戦える仕様となっています。
2020年5月に発売された最新モデルです。
ULTRA TOUR 95CV KEI LIMITED EDITION 2019
2019年限定モデル
故郷・島根県の出雲日御碕灯台をモチーフとしたラケットです。1,200本限定商品として、日本国内のみで2019年9月に発売されました。
ULTRA TOUR 95CV KEI LIMITED EDITION 2020
使用時期:2020年9月–
2020年9月以降使用する予定の「ULTRA TOUR 95 CV」の最新モデルは、フレームデザイン案を一般公募から選考をして決定するプロジェクト形式となりました。6月に選考が行われ商品化に向けて進んでいます。
以上、錦織圭選手の歴代ラケットを紹介しました。
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