史上最高のライバル関係、ロジャー・フェデラーとラファエル・ナダル。
あのアンドレ・アガシに “史上最高の2人が揃った時、テニスは新たな時代を迎える” と言わしめた程、2人は素晴らしい実績は勿論、スポーツマンシップと美しい友情で、最高のライバル関係を築いてきました。
今回は、この2人を様々な角度から徹底比較します。
🎾本記事のサマリー
#選手基本情報
ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | |
---|---|---|
生年月日 | 39 (1981.08.08) | 34 (1986.06.03) |
誕生地 | Basel, Switzerland | Manacor, Mallorca, Spain |
居住地 | Dubai | Manacor, Mallorca, Spain |
身長 | 6’1″ (185 cm) | 6’1″ (185 cm) |
体重 | 187 lbs (85 kg) | 187 lbs (85 kg) |
プロ転向 | 1998 | 2001 |
ツアー勝利 | 111勝(S,103勝) | 97勝(S,86勝) |
通算獲得賞金 | $123,946,683 | $122,905,214 |
#比較1. ツアー実績
2人合わせてグランドスラム40勝!のレジェンド記録
ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | |
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シングルス勝利 | 103勝 | 86勝 |
グランドスラム勝利 | 20勝(豪6・仏1・英8・米5) | 20勝(豪1・仏13・英2・米4) |
‐全豪オープン | 優勝6(2004・06・07・10・17・18) | 優勝1(2009) |
–全仏オープン | 優勝1(2009) | 優勝13(2005-08・10-14・17-20) |
–ウィンブルドン | 優勝8(2003-07・09・12・17) | 優勝2(2008・10) |
–全米オープン | 優勝5(2004-08) | 優勝3(2010・13・17・19) |
マスターズ勝利 | 28勝 | 35勝 |
–インディアンウェルズ | 優勝4(2004-06・12) | 優勝3(2007・09・13) |
–マイアミ | 優勝2(2005-06) | 準優勝4(2005・08・11・14) |
–モンテカルロ | 準優勝4(2006-08・14) | 優勝9(2005-12・16) |
–マドリード | 優勝3(2006・09・12) | 優勝4(2005・10・13-14) |
–ローマ | 準優勝4(2003・06・13・15) | 優勝7(2005-07・09-10・12-13) |
–カナダ | 優勝2(2004・06) | 優勝3(2005・08・13) |
–シンシナティ | 優勝7(2005・07・09-10・12・14-15) | 優勝1(2013) |
–上海 | 優勝1(2014) | 準優勝1(2009) |
–パリ | 優勝1(2011) | 準優勝1(2007) |
ATP500勝利 | 17勝 | 17勝 |
ATP250勝利 | 24勝 | 9勝 |
ツアーファイナル | 優勝6(2003-04・06-07・01-11) | 優勝0(準優勝2) |
オリンピック | 銀メダル(ロンドン’12) | 金メダル(北京’08) |
#比較2. 直接対戦成績

2020年10月時点での対戦成績
ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | |
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通算対戦成績 | 16勝24敗(勝率40%) | 24勝16敗(60%) |
2人の対戦はテニス史に残る素晴らしいドラマばかりです。2019年7月時点では、ナダルはフェデラーと40度目の対戦で、24勝16敗と勝ち越しています。
「僕はいつも同じことを言うよ。『僕らが対戦する機会は減ってはいるけど、僕らはまだここにいる』。明後日、僕らはもう1度対戦するんだ。歴史上、このサーフェスで最強の選手と対戦することを楽しみにしている。決勝にいくにはベストを尽くさなければいけない。それだけ」-ナダル(2019)
「僕は彼に何回も負けているし、何回も勝っている。僕らの関係は変わらない。いつでも彼をとても尊敬している。いい友情だ。僕が勝っても負けても、それは変わらないと思うよ」-ナダル(2019)
#比較3. プレースタイル
テンポの早い攻撃に特化したフェデラー
フェデラーと言えば、テニス史上最も完成度が高い真のオールランドプレイヤー。無駄の無いフットワークと美しいフォームから現実離れした攻撃的なスーパーショットを繰り出します。その美しい様と観客を沸かすアメージングな展開力は、まさにテニス界のマエストロ。通常、世界1位を獲るには最低2つの世界1の武器が有れば可能と言われていますが、フェデラーは全ての技術レベルが高く、全ての武器が世界TOPレベル。唯一の弱点と言われた片手バックハンドでさえも、近年は抜群の威力とキレを見せ、競合相手にウィナーを量産しています。芝コートと得意とするので”芝の王者“の称号を持つ。
フェデラーのプレースタイル
- 超攻撃的且つ高速テニス(ハイリスク・ハイリターン)
- 球足が早いグラス及びインドアコートで最強
- 全てのショットが高次元
- サービスからの組み立てが抜群
- 1ポイントの展開が早い(30秒でゲームを取れる)
- 身体に負担が少ない
- エレガントなイメージ
高い守備力とカウンター狙いのナダル
一方のナダルは、コート後方から強烈なエッグボールを相手コートへねじ込む守備的スタイルが信条のアグレッシブ・ベースライナー。並外れた精神力でどんな球にも食らいつき、劣勢からもフォアに回り込んでのカウンター一閃で相手の度肝を抜く、守備的ながら非常に野性味溢れるプレースタイルが特徴です。全仏OPで12回優勝するなど、クレーで無敵の強さを誇ることから”赤土の王者“。
ナダルのプレースタイル
- 守備的テニス(ミドルリスク・ミドルリターン)
- 球足が遅いクレーコートで最強
- エッグボールと呼ばれる強烈なスピンボールが武器
- 劣勢からフォアに回り込んでのカウンターで一発逆転
- 1ポイントの展開が長い
- 全身の筋肉を駆使するので身体に負担が大きい
- 野性的なイメージ
#比較5. テニス界の評価 ”歴代最強論争”

2019年7月時点のビッグタイトル獲得数
”歴代最強”の称号は現時点ではフェデラー
グランスラムはフェデラーの20勝は史上最多で、ナダルの20勝、ジョコビッチの17勝と肉薄しています。”テニスの世界では四大大会の優勝と世界ランク1位が頂点の証である“とジョコビッチもコメントを残していますので、最多優勝と世界ランク1位在位最長(302週)記録を持つフェデラーが歴代最強の呼声が最も高いです。一時期、調子を落としたフェデラーでしたが、2017年より再びグランドスラムで優勝できるほど、プレーを進化させたことでその評価はより強固なものになりました。
フェデラーの主要実績(2020年時点)
- グランドスラム優勝:20回(歴代最多*ナダル同率)
- 世界ランク1位:302週(歴代最長)
- ロンドン五輪シングルス:”銀”メダル
- マスターズ1000:28勝(歴代3位)
- ツアーファイナル優勝:6回
- デビスカップ:優勝(2014)
五輪金を獲得し、キャリアゴールデンスラムを達成した史上2人目の選手
一方で、ナダルは全盛期のフェデラー相手に勝ち越しただけではなく、ジョコビッチやマレーといったBIG4時代の中で、グランドスラム16勝、マスターズ33勝、世界ランク1位(141週)に加えて、北京五輪金メダルを獲得し、キャリアゴールデンスラムを達成しています。これらの実績とフェデラーより5歳若いことから、ナダル最強説も根強いです。しかし、フェデラーが五輪シングルスで金メダルを獲得していないように、ナダルもツアーファイナル(年間最終戦)での優勝が無い点も議論の争点になります。
ナダルの主要実績(2019年時点)
- グランドスラム優勝:20回(歴代1位*フェデラー同率)
- 全仏オープン優勝:13回(単独最多)
- 世界ランク1位:最長141週(歴代7位)
- 北京五輪シングルス:”金”メダル
- キャリアゴールデンスラム(男女合わせて史上4人目)
- マスターズ1000:35勝(歴代2位)
- デビスカップ優勝:4回(2004・08・09・11)
#比較6. 人気・キャラクター・魅力
”The紳士” 絹のように滑らかな物腰とユーモア溢れる人柄
フェデラーはテニスが紳士・淑女のスポーツであることを体現する選手です。コート内外の彼の紳士的な態度は全てのプレーヤーの模範となり、世界中のファン、観客、スポンサーに至るまで誰も不快にしたり、傷つけることはありません。
「あらゆる意味で世界最高のスポーツ選手。単にスポーツに強いだけでなく、人格的な要素や生き方がぴったりだった」」–ファストリの柳井正会長
フェデラーの人柄を深く知るのに最適なフェデラー自伝です。
故郷マヨルカを愛する、品行方正で純朴な青年
その豪快なプレースタイルとは一転、ナダルは厳しい躾の中で育てられており、品行方正なことで有名で随所に育ちの良さがにじみ出る青年です。
「ラファエルは質の高い普通の教育を受け、正しく行動するように育てらている。私はこれが彼の成功の秘訣だと思う。成長した人間にどのように振舞うべきか教えるのはそんなに簡単な事じゃない」-トニー・ナダル
ナダルの人柄を深く知るのに最適なナダル自身が書いた自伝です。
#比較9.年収・スポンサー
テニス界を超えて、世界一のスポンサー契約金額
キャリア晩年にして衰えることの無い、そのブランド価値。ロジャー・フェデラーという一人の人間の商業的価値は世界No.1の契約金額が物語っています。その錚々たるスポンサー陣の顔ぶれは、ハイエンド向け事業を展開するブランドやスイス企業が多いのが特徴です。
フェデラーのスポンサーリスト
- ユニクロ
- ロレックス
- メルセデスベンツ
- ネットジェッツ
- ユーラ
- バリラ
- ウィルソン
- リモワ
- モエ・エ・シャンドン
- クレディ・スイス
- サンライズ
フェデラーに比べると、やや見劣りするナダルのスポンサー
テニス界の人気をフェデラーと二分(ジョコと三分)するナダルですが、そのスポンサー陣営や契約金額に関しては、少しばかり見劣りします。これは世界的企業が多いスイス出身のフェデラーが有利だという点も否めませんが、ナダルのブランド価値はもっと高くても良いでしょう。
ナダルのスポンサーリスト
- ナイキ
- キア自動車
- バボラ
- リシャールミル
- トミーヒルフィガー
- ヘリオケア
- テレフォニカ
- マフレ保険
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