全米オープン2016を10倍楽しむ基礎知識10選を紹介します。
🎾本記事のサマリー
1. 全米オープンとは

2万3千人以上収容できる世界最大のテニスコート「アーサー・アッシュ・スタジアム」
Tips1. ニューヨークの夏の終わりの風物詩
全米オープンとはニューヨークの夏の終わりの風物詩、USオープンテニストーナメント。ニューヨークメッツのスタジアム隣のフラッシングメドウズパーク内にある「アーサー・アッシュ・スタジアム」がで毎年8月末~9月中旬にかけて開催されます。ニューヨークのセレブがこぞってかけつける事でも有名です。
Tips2. 70万人以上の観客動員数でチケット収入は約1億ドル
観戦チケットには、「アーサー・アッシュ」「ルイ・アームストロング」「ジェネラルアドミッション(グラウンドパス)」の3種類があります。アーサー・アッシュスタジアムのチケットを購入すれば、センターコートの座席がとれるので、トップ選手の試合を観戦できます。このチケットさえあれば、ルイ・アームストロング、グランドスタンド、そして18の屋外コートを含む全米オープンの他のコートの試合も観戦できます。
Tips3. 賞金総額ともに世界最大のテニストーナメント
年間4回行われるグランドスラム大会の中でも、最も派手で賞金の大きい大会です。
Tips4. サーフェスはハードコート
ハードコートで行われる全豪オープンのコートは球足は遅めなのに対して、全米オープンのハードコートは球足は早めといった特徴があります。
Tips5. 2週間の大会興行収入は300億超え!
全米テニス協会の最新の発表によれば、チケット売上、スポンサー料、放映権、売店の売上による総収入は年々着実に増加しており、 2013年は2億5,300万ドル(約304億4,000万円)に達した発表されました。
Tips6. 観客は年収15万ドルがボリュームゾーン
テニスファンには比較的裕福な人が多いです。全米テニス協会によれば、2014年の全米オープンの平均的な観客の年収は16万1000ドル(約1,937万円)と言われています。
Tips7. 超豪華な大会スポンサー
特に全米オープンはニューヨークで開催される事も手伝って、高年収に加えて教養が高い高学歴なエリート層の人間が多く集まっています。2014年の全米では80%が8大卒以上の学歴の持ち主で、男女比は43対57。大規模なスポーツイベントには珍しく女性が多く、スポンサー各社にとってが絶好のマーケティングの場所です。
2. 全米オープン2016の日程・ドロー

日中のほうが試合の開催数が多く、チケットも高額に。夜のセッションは19:00開始で、数試合のみ
USオープンテニス2016 試合日程表 | ||
日程 | 開始時間 | 試合スケジュール |
8月29日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/Women’s 1st Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 1st Round | |
8月30日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/WoMen’s 1st Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 1st Round | |
8月31日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/WoMen’s 2nd Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 2nd Round | |
9月1日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/WoMen’s 2nd Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 2nd Round | |
9月2日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/Women’s 3rd Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/Women’s 3rd Round | |
9月3日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/WoMen’s 3rd Round |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 3rd Round | |
9月4日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/Women’s 4thRound |
7:00pm (夜の部) | Men’s/Women’s 4thRound | |
9月5日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/WoMen’s 4thRound |
7:00pm (夜の部) | Men’s/WoMen’s 4thRound | |
9月6日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/Women’s Quarterfinals |
7:00pm (夜の部) | Men’s/Women’s Quarterfinals | |
9月7日 | 11:00am (昼の部) | Men’s/Women’s Quarterfinals |
7:00pm (夜の部) | Men’s/Women’s Quarterfinals | |
9月8日 | 7:00pm (夜の部) | Women’s Semifinals |
9月9日 | 12:00am (昼の部) | Mixed Doubles Final |
15:00am (昼の部) | Men’s Semifinals | |
9月10日 | 12:00am (昼の部) | Men’s Doubles Final |
16:00am (昼の部) | Women’s Singles Final | |
9月11日 | 12:00am (昼の部) | Women’s Doubles Final |
16:00am (昼の部) | Men’s Singles Final |
3. 全米オープン 2015の優勝者・試合結果

フェデラーを倒し2度目の優勝を掴んだジョコビッチ。グランドスラム通算10勝目をあげた
位 | 選手名 | 過去の実績 |
優勝 | N・ジョコビッチ | 大会4年ぶり2度目の優勝(2011・15) |
準優勝 | R・フェデラー | 5年連続優勝(2004-08) |
ベスト4 | M・チリッチ | 1度の優勝(2014) |
ベスト4 | S・ワウリンカ | ベスト4(2013・15) |
ベスト8 | F・ロペス | 全米初のベスト8入り |
ベスト8 | J・F・ツォンガ | ベスト8(2014・15) |
ベスト8 | K・アンダーソン | 全米初のベスト8入り |
ベスト8 | R・ガスケ | ベスト4(2013) |
4. 全米オープンの歴代優勝者

2002年大会ではサンプラスがアガシを破って、4大大会通算「14勝」で男子歴代1位記録を更新したが、これが現役最後の試合になった
年 | 選手名 | 過去の実績 |
2000 | M・サフィン | 初優勝 |
2001 | L・ヒューイット | 初優勝 |
2002 | P・サンプラス | 5度目の優勝 |
2003 | A・ロディック | 初優勝 |
2004 | R・フェデラー | 初優勝 |
2005 | R・フェデラー | 2連覇 |
2006 | R・フェデラー | 3連覇 |
2007 | R・フェデラー | 4連覇 |
2008 | R・フェデラー | 史上4人目の5連覇 |
2009 | J・M・デルポトロ | 初優勝 |
2010 | R・ナダル | 初優勝 |
2011 | N・ジョコビッチ | 初優勝 |
2012 | A・マレー | 初優勝 |
2013 | R・ナダル | 2度目の優勝 |
2014 | M・チリッチ | 初優勝 |
2015 | N・ジョコビッチ | 2度目の優勝 |
5. 優勝候補はジョコビッチ、マレー、錦織圭のオッズ高し!

リオ五輪でメダルを獲ったマレー、デル・ポトロ、錦織圭に注目が集まる
マレー、デルポトロの株が急上昇
優勝筆頭はやはり王者ジョコビッチですが、全仏やウィンブルドンに比べて、マレーとジョコビッチのオッズ差が小さくなっています。ウィンブルドン、リオ五輪とビッグタイトルを獲得し全盛期を迎えつつあるマレーへの期待が高まっています。また、かつて2009年大会で優勝しているJ・M・デルポトロが3番手に。怪我で長期戦線離脱していたデル・ポトロでしたが、五輪で銀メダルを獲得し復活をアピールしたことで、注目が一気に高まっています。
位 | 選手名 | オッズ |
1 | N・ジョコビッチ | 2.00 |
2 | A・マレー | 3.25 |
3 | J・M・デルポトロ | 17.00 |
4 | M・ラオニッチ | 19.00 |
5 | S・ワウリンカ | 21.00 |
5 | R・ナダル | 21.00 |
6 | 錦織圭 | 23.00 |
6. 波乱の予感。TOP選手の不調・疲労困憊・欠場

第1シードで出場したリオ五輪。まさかの初戦敗退で涙をのんだジョコビッチ
夏のハードスケジュールで満身創痍
今季の夏のスケジュールは超苛酷で、7月25日からトロントでのマスターズ大会(別名ロジャーズ・カップ)が始まり、その決勝が31日。わずか5日後の8月5日はオリンピックの開会式で、6日に男子シングルスが開幕。決勝まで勝ち進んだ選手は14日が最終日。その日は次のマスターズのシンシナティ大会(ウェスタン・アンド・サザン・オープン)が開幕。そして、8月29日から最後の4大大会の全米オープンへ。
安定感を欠いた王者ジョコビッチ
ジョコビッチは、ウィンブルドンの3回戦敗退に続き、リオオリンピックでまさかの1回戦敗退。そしてマスターズのシンシナティ大会も手首の怪我を理由に欠場。
ナダル、錦織、デルポトロら怪我を抱えた選手達
ジョコビッチに加え、他のTOP選手も怪我をおっており、万全の体調ではありません。ナダルは左手首を痛め2カ月間ツアー離脱を強いられたが、状態は万全ではない。リオ五輪でコートに戻ったが、W&Sオープンでは3回戦で敗退。長い休養の後のオリンピックで戦い過ぎて、疲労と痛みを抱えていると語っています
フェデラーとベルディヒが欠場
フェデラーは2月に膝の手術を受けており、その後に腰を痛めるなど怪我に泣かされ、万全な体調に戻すために今季の活動を終了。ベルディヒは虫垂炎の治療のために欠場します。
7. 錦織圭 飛躍の可能性

2014大会で準優勝し一躍TOP10選手へと大きく飛躍した錦織圭
遂に『頂点への道』へ。グランドスラム初優勝の可能性
今季のマスターズでの安定した成績と、リオ五輪でナダルを下した勝ち取った銅メダル。確実にテニスのレベルと接戦を勝ち抜くメンタルがアップしています。昨年の初戦負けのトラウマはもう払拭できているでしょう。また、全米はハードでも比較的球足が遅く、得意のフットワークが活かせるサーフェスなので、錦織自身も最も得意とする4大大会です。
今季披露している”横綱テニス”でしっかりベスト8まで進出し、準決勝、決勝は2014年全米で見せた爆発力を出しきれば、優勝の可能性はあるでしょう。錦織自身の著書『頂点への道』にもあるように、少しすずその可能性が高くなっています。
年 | 成績 | 対戦相手 |
2007 | 予選敗退 | – |
2008 | 4回戦 | JM・デル・ポトロに6-3, 6-4, 6-3で敗退 |
2009 | 不参加 | 右ひじの疲労骨折により、全英に続き全米も欠場 |
2010 | 3回戦 | A・モンタニェス戦の第2セットで棄権 |
2011 | 初戦敗退 | – |
2012 | 3回戦 | M・チリッチに 3-6, 4-6, 7-6, 3-6 で敗退 |
2013 | 初戦敗退 | D・エバンズに6-4, 6-4, 6-2で敗退 |
2014 | 準優勝 | M・チリッチに6-3, 6-3, 6-3で敗退しGS初優勝を逃す |
2015 | 初戦敗退 | 優勝候補だったが、B・ペール |
8. 賞金総額は$46.3M(48億円)過去最高!
賞金額過去最高に
グランドスラムの中で最も華やか豪華なUSオープン。その賞金総額は48億円と他大会とくらべても断トツで1位です。今年の男女シングルスの優勝賞金はそれぞれ、昨年の330万ドル(約3億4,600万円)から史上最高となる350万ドル(約3億6,700万円)へと上昇しています。加熱するテニスビジネスの拡大によって、賞金は年々うなぎ登りに上昇し、今年も昨年に比べて10.5%も賞金総額がUPしています。
また、シングルス初戦で敗退した選手も4万3,300ドル(約455万円)を手にすることができます。一方で、男女ダブルスの優勝ペアの賞金は62万5,000ドル(約6,560万円)とシングルスに比べると大きな差があります。
【関連】賞金総額・優勝賞金が超破格なプロスポーツイベントTOP10。テニスUSオープンは5位!
9. 優勝トロフィーはティファニー製

全米オープン2013で優勝したナダル。お決まりのカジりポーズで持っているトロフィーはティファニー製
アメリカンスポーツ勝者の象徴、ティファニー(TIFFANY&CO)
ティファニーは20年以上にわたり、全米オープンテニスの優勝トロフィーを製作しています。実は、150年に渡ってポロなど様々な競技のカップを作ってきた歴史があり、現在はテニス以外ではNFLスーパーボールのヴィンス・ロンバルディ トロフィー、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)や、オリンピックの金メダルなどもオーダーメイドで制作しています。ティファニーというブランドは、ジュエリーブランドという枠を超えて、アメリカンスポーツの勝者の証と言えます。
10. 4大大会随一の豪華なスポンサー企業
全豪オープン | 全仏オープン | ウィンブルドン | 全米オープン | |
スポンサー数 | 22社 | 11社 | 24社 | |
タイムキーパー | LONGINES | Rolex | CITIZEN | |
カー | PEUJEOT | JAGUAR | Mercedes-Benz | |
テクノロジー | IBM | IBM | IBM | IBM |
アウトフィッター | Ralph Lauren | Ralph Lauren | ||
ボール | Wilson | Babolat | Slazenger | Wilson |
スポンサー一覧
- Chase Bank(チェース銀行)/1982年~/米国の大手銀行
- J.P. Morgan(JPモルガン)/1982年~/米国の金融コングロマリット
- American Express(アメリカン・エクスプレス)/1994年~/
- CITIZEN(シチズン)1992年よりオフィシャルタイムキーパー
- Emirates(エミレーツ航空)/アラブ 首長国連邦(ドバイ)の航空会社
- IBM /アメリカのITサービス企業/オフィシャルインフォメーションテクノロジーパートナー
- Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)1996年~オフィシャルビークルを務め、USオープンの華形である男子シングルスのタイトルスポンサーでもある
- POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフローレン)オフィシャルアウトフィッター
- Time Waner Cable(タイムワーナー)
- Visit Orlando
- WESTIN(ウェスティンホテル$リゾート)
- evian(エビアン)
- GREY GOOSE(グレイノース)2015年~ ウォッカブランド
- Heineken(ハイネケン)
- JACOB’S GREEKS(ジェイコブス・クリーク)
- Juice Press
- LAVAZZA(ラバッザ)/イタリアンコーヒーブランド
- MOET&CHANDON/フランスのシャンパンブランド
- Mount Sinai
- The New York Times
- ticketmaster 2016年~
- TIFFANY&CO(ティファニー)2016年~優勝トロフィーを担当
- Wilson(ウィルソン)35年間オフィシャルボールを担当
- ESPN