BIG4に唯一対抗できる存在であり、時に凌駕する程の爆発的が魅力のスタン・ワウリンカ(パブリンカ)。
32歳を迎えた2017年は、ジョコビッチとマレーの2強支配が崩れかかっており、BIG4とのポイント差が縮まってきたことで、世界1位を狙うことも十分に可能です。ウィンブルドンで優勝を果たせば史上9人目、ジョコビッチに次ぐキャリアグランドスラム達成の偉業を成し遂げることになります。
【ハードシーズン】四大大会ベスト4、マスターズ準優勝
年初のブリスベン国際では第2シードとして出場し準決勝まで進出したものの、第3シードの錦織圭に6-7(3), 3-6で敗れた。全豪オープンでは準決勝でフェデラーに敗れるもベスト4入りを果たします。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだドバイ・テニス選手権では、まさかの初戦敗退。ワウリンカらしいと言えばらしい…。
BNPパリバ・オープンには第3シードとして出場し、準々決勝でドミニク・ティエムに勝利し、準決勝ではパブロ・カレーニョ・ブスタに快勝し、大会初の決勝進出を果たすも、決勝では絶好調のフェデラーに4-6, 5-7で敗れました。マイアミ・オープンには第1シードとして出場したものの、4回戦でアレクサンダー・ズベレフに6-4, 2-6, 1-6で逆転負けを喫しました。
【クレーシーズン】得意のクレーで再びローラン・ギャロスの決勝へ
3大クレーマスターズ大会では4回戦以上に進むことはできず振るわない成績だったものの、全仏オープン前哨戦のジュネーブ・オープンでは、決勝でミーシャ・ズベレフに勝利、今シーズン初タイトルを手にしました。そして、BIG4と同様にグランドスラムで最高に力を発揮できるワウリンカは、全仏の大舞台で力を発揮します。
全仏オープンには第3シードとして出場し、4回戦でガエル・モンフィス、準々決勝ではマリン・チリッチに勝利、続く準決勝では第1シードのアンディ・マリーに6-7(6), 6-3, 5-7, 7-6(3), 6-1と4時間半に及ぶ死闘の末に勝利。2年ぶり2度目の大会決勝進出を果すも、決勝でクレー王者のナダルに終始圧倒され2-6, 3-6, 1-6とストレートで完敗。
【グラス(芝)シーズン】故障と相まって苦手な芝では活躍できず
強力なサービスを持ちながらもフットワークに課題があるワウリンカは芝は苦手としています。前哨戦のAEGONと本命のウィンブルドンに出場するも、どちらも初戦敗退という結果でした。キャリアグランドスラムの達成ならず。
「悪い2大会だった。残念ながら膝に問題を抱えてしまい、万全な準備が出来なかった。本当に辛い1日」-ワウリンカ
【ハードコートシーズン】全米OP連覇に期待がかかるも…今季全試合欠場を表明
全米オープン2連覇の期待がかかるハードコートでのシーズン。しかし、以前より痛めていた左膝の手術に踏み切り、2017年の残りシーズン欠場を表明しました。
「悲しいお知らせをしなければならない。チームとドクターと話し合った結果、膝の手術を受けるという難しい決断に至った。今後、何年もトップレベルでプレーをするためには、これ(手術)が唯一の解決方法だった」-ワウリンカ
【2017シーズンまとめ】
上半期は全豪オープンベスト4、マスターズインディアンウェルズ準優勝、そして全仏オープン準優勝と相変わらずビッグマッチでは世界屈指の実力を発揮しました。優勝回数は昨年の3勝に比べて、今季はATP250クラスのジュネーブオープン(連覇)のみと物足りない結果でした。そして、故障によるシーズン全体会欠場により、全米連覇の夢が途絶え、今年は2013年以来4年ぶりの四大大会無冠のシーズンとなりました。
日程 | カテゴリー | 大会名 | 開催地 | サーフェス | 2017成績 | 2016成績 |
---|---|---|---|---|---|---|
1/1~ | 250 | ブリスベン国際 | ブリスベン | H | ベスト4 | 不参加 |
1/16~ | GS | 全豪オープン | メルボルン | H | ベスト4 | 4回戦敗退 |
2/27~ | 500 | ドバイテニス選手権 | ドバイ | H | 初戦敗退 | 優勝 |
3/9~ | 1000 | BNPパリバ・オープン | インディアンウェルズ | H | 準優勝 | 4回戦敗退 |
3/22~ | 1000 | マイアミ・オープン | マイアミ | H | 4回戦敗退 | 2回戦敗退 |
4/16~ | 1000 | モンテカルロ・オープン | モンテカルロ | CL | 3回戦敗退 | ベスト8 |
5/7~ | 1000 | ムチュアマドリッド・オープン | マドリード | CL | 2回戦敗退 | 2回戦敗退 |
5/14~ | 1000 | BNLイタリア国際 | ローマ | CL | 3回戦敗退 | 3回戦敗退 |
5/21 | 250 | ジュネーヴ・オープン | ジュネーヴ | CL | 優勝 | 優勝 |
5/28~ | GS | 全仏オープン | パリ | CL | 準優勝 | ベスト4 |
6/19~ | 500 | AEGON・オープン | ロンドン | G | 初戦敗退 | 不参加 |
7/2~ | GS | ウィンブルドン | ロンドン | G | 初戦敗退 | 2回戦敗退 |
7/27 | 250 | スイス・オープン・グシュタード | グスタード | CL | 故障により欠場 | 不参加 |
8/7~ | 1000 | ロジャーズ・カップ | モントリオール | H | 故障により欠場 | ベスト4 |
8/13~ | 1000 | ウェスタン&サザーン・オープン | シンシナティ | H | 故障により欠場 | 3回戦敗退 |
8/28~ | GS | 全米オープン | ニューヨーク | H | 故障により欠場 | 優勝 |
10/8~ | 1000 | 上海ロレックス・マスターズ | 上海 | H | 故障により欠場 | 3回戦敗退 |
10/23 | 500 | スイス・インドア | バーゼル | IH | 故障により欠場 | ベスト8 |
10/30~ | 1000 | BNPパリバ・マスターズ | パリ | IH | 故障により欠場 | 2回戦敗退 |
11/12~ | TourFinal | ATPワールドツアー・ファイナルズ | ロンドン | IH | 故障により欠場 | RR敗退 |