ラファエル・ナダル選手の歴代テニスラケットを一挙紹介します。
ナダルがバボラ社と契約して以来、数々の偉業達成をそばで支えてきたラケットが、蛍光イエローが印象的な「ピュアアエロ」です。
今回はジュニア時代から2020年までのナダルが愛用してきた歴代ラケットと最新ラケット(本人仕様スペック)を紹介します。
🎾本記事のサマリー
ナダルとバボラの関係
ナダルとバボラ社は、ナダルが9歳の頃からの付き合いがあり、その関係は25年間に渡ります。現在でこそブランドは流行していますが、当時はプロ選手の間ではトップチョイスではありませんでした。実は、バボラは元々は楽器の弦を製造するなど、ストリング生産の会社でした。なので、今日のラケットメーカーとしてブランド確立は、間違いなくナダルの成功があってこそ。
そして、ピュアドライブを使い始めたときから、ナダルはピュアアエロの開発に関わり、今日でもバボラの製品テストや開発プロセスに深く携わっています。
「ラファには平均すると年間4回、一回あたり6〜8本のラケットを提供します。特にラファにとっては、彼のかなりユニークなグリップのために、手に完全にフィットするまでグリップを調整することが重要です」バボラのグローバルスポーツマーケティングディレクターのジャン・クリストフバー・ボルグ氏
同選手を語る上で欠かせないのが、その規律性とスポーツマンシップ。事実、ナダルは年間最大30本のラケットを使用しますが、過去に練習・試合含めて一度たりともラケットを折ったことがありません。ラケットを破壊したことが無い世界でも数少ないプレーヤーの1人です。
「子供の頃から伯父トニーにラケットを粗末に扱ってはならないと教えられたんだ。一度も自分のラケットを投げたことはないよ。」とインタビューに誇らしげに答えています。
今日でも主要なスポンサー契約を結び、アンバサダーとしてバボラ社の広告塔に起用されています。ファミリー企業であるバボラは選手との距離が近く、競合他社が大金を積んだとしてもナダルの心が揺らぐことは無いと言われています。
使用ラケット・基本スペック・重さ
実際のラケットスペック
ナダルは、回転量の多いトップスピンをかけた強烈なエッグボールを打つため、ラケットにも特別な拘りがあります。
まず、ラケットは2005年から使用している「ピュアアエロ・ドライブ」ですが、彼は長年にわたって重量とカスタマイズを微調整してきました。そのラケットフレームの12時の位置に大量の鉛テープがあり、これは殆どプロプレイヤーでも効果的に使いこなせない程のスイングウェイトと言われています。
「ラケットに特別な基準はないよ。どのサーフェスでも同じ重さで同じグリップのラケットを使うんだ。ストリングのテンションも、いつも同じ25kgにしている。でも例外があって、高度の高い場所でプレーするときは、ストリングのテンションを25.5 kgにしているよ。」-ナダル
- バボラAeroproドライブ2005 – バボラピュアエアロ塗装
- リード17g:上部12g、ハンドル5g
- グリップ: バボラシンテックプロブラック+バボラvsオリジナルホワイト
- ダンパー: Babolat Custom Damp
- バランスストレッチ:335 mm
- 文字列: Babolat RPM blast 1.35
- 重量(張った状態): 12オンス/ 340g
- 文字列パターン:16×19
- ストリングのテンション:25kg(55ポンド)
- ストリングの種類:RPMブラストの1.35mm
- 振動止め:カスタムダンプ
ストリング(ガット)
ストリングは長い間15ゲージの「Babolat RPMBlastストリング」を使用してきました。これらのストリングはRPMBlastの最も太いバージョンであり、優れたスピンをもたらします。テンションは時間帯、サーフェス、対戦相手などの要因で調整します。テンションは55ポンド程です。
グリップテープ
彼が使用するグリップサイズは平均的なプレーヤーよりも小さく、グリップサイズ2を使用しています。フェデラーも同じサイズ。
歴代ラケット
2012年:

得意の全仏OP決勝ではジョコビッチに勝利したものの、この年は敗戦が続いた。
ナダルのラケットの最初の調整は2012年に行われました。ナダルは、台頭してきたノバク・ジョコビッチとの一連の敗北で厳しい時期を迎えていました。この状況から抜け出すために、ラケットに3グラムの重さを追加しました。これでボールにより多くのスピンとパワーを与えることに成功しました。
2017年:

2017年はGS3度の決勝進出、2度の優勝、4度目の世界ランク1位を達成し復活を印象付けた。
5年後の2017年、ナダルはラケットに別の調整を加えました。彼は同じ場所、つまりフレームの上部にさらに2グラムの追加です。フレームの上部に鉛のストリップを追加することでラケットの重量が増加し、ラケットの強力なハンマー効果が向上しました。
2020年:

全仏OP2020では13度目の優勝を果たし、GS20勝目を達成。
最新のナダルの使用ラケットは、一般的に正式販売されているピュアエアロとは少し異なって見えます。実は「初代アエロプロドライブ」をベースにペイントジョブで最新モデルにデザインしています。エアロの黄色の背景には、スペイン国旗の赤、クレーコートのオレンジ、そしてアクセントとしても紫は正直さ・誠実さを表しています。また、市販品よりも重めに設定されています。
番外編
2018:Babolat 2018 Pure Aero Decima French Open
2017年の全仏オープンで自身10度目の優勝をの功績を讃える記念ラケット「ピュア エアロ デシマ フレンチオープン」が発売されています。ナダルの偉業である「デシマ(スペイン語で10度目の意味)」の名を冠しています。
Babolat Pure Aero 2019
Babolat Pure Aero 2019テニスラケットは、ペースの速いゲームをプレイし、コートでより機動性を高めたいテニスプレーヤーに適しています。これは、かなり速いスイングウェイトとヘッドライトウェイトバランスによるものです。ラケットの安定性は、ラケットのスロートに組み込まれているカーボンプライスタビライザーテクノロジーに由来します。
Babolat Pure Aero VS 2020
2020年の最新モデルです。
以上、ナダル選手の歴代ラケットを紹介しました。
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